南ア北部 三伏山(2600m)、本谷山(2657.9m)、塩見岳(3046.9m) 2013年7月27〜28日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 7/27 5:43 鳥倉ゲート−−6:24 登山口−−7:52 水場−−8:33 三伏小屋(幕営) 7/28 3:59 三伏小屋−−4:09 三伏山−−4:53 本谷山−−6:08 塩見小屋−−6:55 塩見岳(休憩) 8:00−−8:39 塩見小屋−−9:49 本谷山−−10:32 三伏山−−10:40 三伏小屋(休憩) 11:26−−11:50 水場−−12:35 登山口−−13:08 鳥倉ゲート

場所長野県伊那市/長野県下伊那郡大鹿村/静岡県静岡市
年月日2013年7月27〜28日 幕営1泊
天候初日:曇時々晴、夕方からガス、ちょっとだけ雨
2日目:曇時々晴
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場鳥倉ゲート前に駐車場あり。ただし夏山シーズンはすぐ満車状態になり路側駐車となる
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無塩見岳直下の岩場がやや危険(落石)
山頂の展望三伏山:良好
本谷山:西側のみ良好
塩見岳:良好
GPSトラックログ
(GPX形式)
無し
コメント鳥倉林道ゲートから三伏小屋幕営で塩見岳を往復。天気はイマイチだったが雨は初日夕方に僅かに降っただけだった。相変わらず人が多く駐車場は満杯だった


ルート図。クリックで拡大
初日ルート断面図
2日目ルート断面図


賑わう鳥倉ゲート前 駐車場は満杯
林道から見た奥茶臼山
林道から見た小日影山
登山口 山小屋関係者? 車が通過
登山口〜三伏峠間 1/10標識 小鞍部を通過、小尾根を登る
登山口〜三伏峠間 2/10標識 小日影山と大日影山
登山口〜三伏峠間 3/10標識 豊口山東鞍部
豊口山東鞍部から稜線上を東に登る 登山口〜三伏峠間 4/10標識
トラバースが多い 2230m鞍部から再び北を巻き始める
登山口〜三伏峠間 6/10標識 水場。細いが夏場は枯れることはないと思う
登山口〜三伏峠間 7/10標識 登山口〜三伏峠間 8/10標識
塩川分岐。でも塩川方面は通行止めで廃道化一直線 登山口〜三伏峠間 9/10標識
小屋が近づいてやっと塩見岳が見える 間もなく小屋
三伏小屋 三伏小屋テント場(南から見る)
三伏小屋テント場(北から見る)
塩見岳/荒川岳分岐 水場分岐
烏帽子岳方面のお花畑 ハクサンフウロ
シナノキンバイ マツムシソウ
ヨツバシオガマ 烏帽子岳への稜線が既にガスの中
水場に向かう 水場のポンプ小屋
ポンプ。熊よけのラジオ&注意書きあり まだ暗い時刻に塩見岳に出発
三伏山 本谷山への登り
振り返る
塩見岳はガスの中 本谷山
本谷山から見た塩見岳
本谷山から見た西〜北の展望(クリックで拡大)
本谷山から見た南〜西の展望(クリックで拡大)
一部に倒木が集中している 荒川岳方面も雲がかかっている
塩見岳はガスが消えていた 権右衛門山をトラバース
枯れ沢を横断、これより登り きつい登り
塩見新道分岐。廃道化進行中と思われる 塩見新道分岐から見た権右衛門山
もうすぐ森林限界 森林限界突破
森林限界から見た西側半分の展望(クリックで拡大)
塩見小屋。かなり小さい 2766m峰から見た塩見岳
2766m峰から見た中央アルプス(クリックで拡大)
稜線南側を進む ペイントが目印
2920m峰直下より塩見岳 この先が岩稜帯
ハクサンイチゲ タカネツメクサ
シコタンソウ たぶんこれもシコタンソウ
イワベンケイ イワオウギ
タカネシオガマ ペイントを頼りに岩稜を進む
進路を右に変えて登る 危険地帯終了
塩見岳西峰山頂 イワギキョウかチシマギキョウのどちらか
塩見岳西峰から見た南〜西の展望(クリックで拡大)
塩見岳西峰から見た西〜北〜東の展望(クリックで拡大)
塩見岳東峰山頂 塩見岳東峰から見た西峰
塩見岳東峰から見た白峰南嶺、南ア南部(クリックで拡大)
塩見岳東峰から見た小河内岳、奥茶臼山(クリックで拡大)
塩見岳東峰から見た南ア北部
塩見岳東峰から見た北アルプス。ほとんどが雲の中
塩見岳から見た三伏小屋 塩見岳から見た塩見小屋
下山開始 落石を起こさないよう慎重に下る
この下もまだ岩稜帯 仙丈ヶ岳がすっきり姿を見せた
下山してから晴れてきた ホシガラス
2766m峰から見た中央アルプス(クリックで拡大)
2766m峰から見た南ア北部
2766m峰から見た三伏峠までの稜線。まだまだ長い
塩見新道分岐 権右衛門山南のトラバース
本谷山 塩見岳はガスがかかり始めた
本谷山から見た二児山への稜線と南ア北部(クリックで拡大)
本谷山下りで出てくる開けた場所 マルバダケブキ
ハクサンフウロ ゴゼンタチバナ
もったいないが下る 登山道より西側に飛び出た岩。展望良好
岩から見た西側の展望
間もなく三伏山 三伏山山頂。背景は塩見岳
三伏山から見た北〜東〜南の展望(クリックで拡大)
三伏山から見た白根三山
三伏山から見た三伏小屋付近
三伏山から見た三伏小屋 三伏小屋到着
マイホーム 三伏小屋
再び雲が増加 登山口
登山口にある地質解説板
林道から見た鳥倉駐車場 林道〜見た前茶臼山
鳥倉ゲート到着!


 今年の夏は梅雨明け後の天候が不順だ。北陸〜東北の梅雨明けがまだで、関東付近も大気の状態が連日のように不安定。山は晴れが続かず雷雨の日が多い。より北に位置する北アルプスは天気が特にNG。今週末も大気の状態が不安定で関東平野部でも雷雨の予報。より南の方が大気が安定していると考えられ、最初は便ヶ島から聖岳を考えたが、林道通行に時間規制があって集落終わりのゲートが開くのが8:00、閉まるのは17:00。入るのも出るのも時間制限がかかっている。特に便ヶ島着は9:00くらいになるのは痛い。時刻が遅いほど雷雨の可能性が高いからだ。そこで事前の策として塩見岳をピックアップ。鳥倉林道は時間規制はない。

 高速料金節約のため諏訪ICで降りて一般道で鳥倉林道へ。夜は対向車の接近がヘッドライトの光で分かるので曲がりくねった道でも安心して走行できる。何度も走った道なのでロードマップを広げる必要はなく迷うことなく鳥倉ゲート到着。時刻はPM10:00過ぎだが既に9割がた駐車場は埋まった状態。翌朝の早い時刻に満車になり路側駐車が始まり、帰りには100m以上離れた路側にも車があった。さすが100名山だ。

 初日のスケジュールは緩いのでのんびり起きて朝飯を食って出発。1泊幕営の予定で、幕営場所は三伏峠なので初日は数時間の歩きでおしまい。今日も天気が不安定な予報なので早めに幕営態勢に入るのはいいことだ。夏山装備は春山装備より荷物は少なく、70リットルのザックではオーバースペックなので45リットルザックに無理やりパッキング。テントを外に出すだけでどうにか収納できた。マットは今年からコンパクトに収納できるエアーマットに変えたのでザックの中。大きな銀マットをザックの横に付ける必要はなくなった。天気は曇りだが隙間から青空も見えている。でも朝から曇っているくらいだから日中はもっと雲が多くなるかな。

 1時間弱の林道歩きで登山口到着、登山口で小休止している登山者を横目にそのまま歩き続ける。もう何度も歩いたコースなので心配なし。登山口から三伏峠間の1/10〜9/10の手製道程標識がいつの間にか大鹿村で立てた立派な金属製標識に化けていた。最初はきつい登りが続き、小尾根に取り付いてからはトラバース気味の登りが続き、やがて豊口山東側鞍部に出る。その後はほとんど稜線北側のトラバース。登りの途中で休憩している登山者、追いついて道を譲ってもらう登山者がポツポツといるが、下ってくる登山者の姿も多くなる。水場で冷たい水を少々飲むが休むほどの時間は費やさずに通過。塩川方面の登山道は数年前から閉鎖されたままだった。このまま廃道化決定だろう。ジグザグに登って樹林の隙間から本日初めて塩見岳登場。もう雲の中で見えないかと思ったら、こちらはガスが多いが塩見近辺は晴れているようだった。明日もこうなってくれるといいのだが。

 最後のジグザグを登りきると三伏小屋到着。まだ土曜日朝なのでテント場のテントは少ないが、これから増えてくるだろう。さっそく幕営手続き。トイレ料金込みで\700/人だった。混雑するであろうことを考えて、一番奥の1人用テントしか張れないような狭い場所を選択。これは正解だった。広い場所は大型テントを使う大パーティー用にできるだけ開けておくべきだろう。

 いやらしい天気で朝から遠雷が聞こえており、時間はたっぷりあるので烏帽子岳や前小河内岳くらいは登ろうかと考えていたがやめておき、水を汲みに行くだけにした。水場分岐から烏帽子方面の草付き斜面は相変わらずお花畑。鹿に食われないよう柵に覆われていた。もう烏帽子方面もガスの中に入ってしまっていた。水場の小屋は数年前と同様に熊除けのためにAMラジオが付けっぱなしになっていた。水は細いがしっかりと出ていた。ここは小屋よりも低い位置にあるためエンジン式ポンプが設置してあって、小屋で水が不足しそうになったら30分くらい運転するようだ。ここまで往復するのも大変だろう。

 テントに戻ってからはやることが無く、ラジオを聴きながらごろ寝。基本的に曇りだがたまに日が差すとテント内はクソ暑くなる。遠雷はいつのまにか聞こえなくなったが周囲はガスに覆われ、夕方5時くらいに一時的に雨が落ちてきたが5分くらいでおしまい。雨はこれだけだったのでフライは持ってこなくてもよかったな。うちのテントはゴアのテントだから。夕方にはテントがかなり増えたがまだ満杯までには至らなかった。これも天気予報がイマイチだからだろう。酒を飲んで就寝。少し飲み過ぎ気味で翌朝は軽い頭痛だった。

 朝は3時起床。周囲のテントも活動開始の時間帯だ。1時間ほどで飯を食い終えて出発準備完了。今日は塩見を往復してから下山なので、塩見岳往復はテントをデポして軽装で歩ける。水1リットル、食料、防寒具を持ってまだ真っ暗な中を出発。上空は薄曇りらしく月が笠を被っている。今の時期は日の出まで約40分、森林限界なら日の出30分前に明るくなるが、樹林帯だとずいぶん遅いだろう。でも日の出の時刻前にはライトは不要になるだろう。

 手慣れたルートなのでライトだけでも道に迷うことはない。三伏山はまだ暗かった。山頂からは権右衛門山中腹にライトの光が見えていた。1時間くらいビハインドか。本谷山の登りでライト不要な明るさになる。この時刻にもう下ってくる人の姿も。当然、塩見小屋発の人だろう。本谷山からはガスが晴れかかった塩見岳山頂部が見えた。これだったら山頂でガスられて真っ白なんてことはなさそうだ。中アもガスは掛かっていなかったが北アは常念岳〜大天井岳〜燕岳〜餓鬼岳を除いて雲の中。あちらは今週もお天気は悪いようだ。

 本谷山を大きく下るとしばしシラビソ樹林帯の横移動が続く。1か所、まとまって倒木がある場所があり、薄い迂回路が西側に自然発生。そのうちに倒木は処理されるだろう。稜線を離れて権右衛門山南斜面をトラバースし始めると現在位置が特定しにくいのが難点。この辺では下ってくるハイカーの姿が目立った。枯れた沢を越えると急な登りで、これまでの横移動に慣れた足には一番きつい。深い樹林で展望も無いし。尾根に上がると塩見新道分岐だがロープが張られて入れないようになっている。これは三峰川沿いの林道に杉島集落が終わったところにゲートができ、一般車が入れなくなって数年が経過したので、登山道もかなり荒れてきたことだろう。

 森林限界は塩見新道のすぐ上で、背の高いハイマツが出てきたと思ったらすぐに展望が開ける。農鳥岳は雲の下だが間ノ岳、北岳山頂部分はガスの中のまま。今頃賑わっているであろう北岳は今日は晴れるのか、それともこのままか。荒川三山も稜線はガスがかかっていた。風は弱い西寄りで、登りでは適度に体を冷やしてくれる。

 森林限界を一登りで塩見小屋。キャパは小さい。既に宿泊登山者は出発した後で、小屋の関係者が片づけの真っ最中。山頂までもう少しなので休憩なしで小屋は通過した。2766m峰を僅かに巻いて少し下ると岩稜帯の稜線に変わり、南側を巻くようになる。ペイントに従って進んでいく。2920m峰も南から巻いてしまい、鞍部に下ってからが本格的な岩場に突入。落石を落とさないように注意しながら登る。塩見小屋から往復した登山者はこの時間帯だとほとんど下山した後だし、三伏峠発の登山者はまだ山頂に到着していない人が大半なので、すれ違う登山者は少ない。登っている登山者の姿は1名しか見えない。落石を考えると人が少ないことはいいことだ。後ろに人がいないので、もし落石を発生させても被害はない。岩場も稜線南側にルートが付けられていて目印が豊富だ。

 危険地帯を通過すると穏やかな尾根に乗り、最後の一登りで三角点のある塩見岳西峰に到着。先客は1名、大パーティーが東峰に到着したばかりなので西峰で休憩することにする。幸い、山頂にガスはかかっておらず展望は360度、ただし北岳、間ノ岳、荒川三山の山頂部はガスの中、北アルプスは常念岳、大天井岳、燕岳、餓鬼岳が見えるだけだった。中アはガスは掛かっていない。富士山は良く見えているが山頂部のみ雲に隠れている。あちらは大混雑だろう。少し時間をおいて東峰へ。地形図では西峰の方が高いように描かれているが現場の感覚では東峰の方がやや高いように思えるが、真実はどうだろうか。先ほどの大パーティーは予想に反して北俣岳方面へと進んでいった。

 防寒着を着こんで1時間ほど山頂に滞在から下山開始。そのうちに三伏峠発と思われる登山者が増えてきた。下っているときにすれ違う登山者も多くなってきた。岩場のすれ違いは落石を起こさないよう気を使う。危険地帯を過ぎれば登りに道を譲るのも楽になるし、先行者に道を譲ってもらうことも可能になり歩く速度が一気にアップ、やっと体が温まってTシャツ半ズボンの姿に変身。それまではダウンジャケットだから落差が大きい。登りの人は大半がTシャツ姿だ。この頃になるとようやく太陽が顔を出すようになった。ただし、雲は多めのままでそのうち熱雲も上がってくるだろうから晴れの時間は短いだろうな。

 塩見小屋を通過すると森林限界ともお別れ。深いシラビソ樹林に突入し急激に高度を下げる。しばし横移動してから本谷山への登り。ここ数年はテントを背負ってここを登っていたが、今回は軽装での登り返しなので楽だ。山頂で塩見岳を振り返ると山頂部にはガスがかかり始めていた。もうそんな時間帯か。中央アルプスも徐々に雲が湧いてきた。

 せっかく稼いだ標高を落とす途中で西側に出っ張った岩があり、そこで西側の展望が大きく開ける。鞍部から標高差約100mの登り返しで三伏山山頂へ。ここまで来れば三伏小屋は目前だ。朝方は暗くて展望もクソも無かったが今は良く見える。もう塩見も荒川も雲の中に沈んでいた。

 テント場に到着するとテントの数は朝方とあまり変化なし。多くの登山者は塩見岳を往復中ということだろう。薄日が差しているのでテントの虫干しにちょうど良くて助かる。朝方はびしょ濡れだったフライは完全に乾いていたのでテントをひっくり返して底面を乾かすだけ。その間に最後の食事。ザックの中の食料は非常食を残すのみ。水もほとんど廃棄。ここからだったら途中で水を飲むこともないだろう。食料がなくなって荷物の体積が減ったのでザックのパッキングも余裕ができた。

 三伏峠出発。まだお昼ちょっと前なので山伏小屋泊まりの登山者の姿が多い。日曜入山できるとは羨ましい。今日は昨日よりも大気の状態は安定しているかな。昨日のこの時間は遠雷が聞こえていたからな。まだ日差しもある。三伏峠から林道までは延々と樹林帯を歩き、しかも豊口山東鞍部で稜線から離れるまで大半が稜線の北側を巻くので気温は低めで涼しくて助かる。南斜面に出ても樹林が深いのでさほど暑さは感じないが、標高が落ちてくるので徐々に気温は上がってくる。ここまで来ると登りの人だけでなく下りの人の姿も。

 林道に出ると休憩中の登山者の姿が数人。登りなのか下りなのかは分からない。林道に出ると日に焼かれ暑いので麦わら帽子の出番。扇を取り出してパタパタやりながら林道歩き。もう登りの人とはすれ違わなかった。駐車場に到着するとほぼ満車だが数台の隙間はできていた。

 

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